#以下,
http://shin.the-ninja.jp/bike/log/sinogi.htmの2006年3月1日(水)分のエントリーの改訂です。
#以前より少しは進歩したのかな。
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独断と偏見でそのレシピなど。
料理のコツって、文章ではなかなか旨く伝わらないだろうし、感覚的な事柄や使用する器具や食材、その他諸々のファクターがそれぞれの環境で異なるから、これを読んでその通りに作ったからといって美味しい出来上がりが保証されるわけじゃないけど、外せないポイントやそのヒントになれば良いかなと思ってます。ここはこうした方がいいぞ?というポイントは人それぞれ。おいしさ目指して工夫しましょう。良いアイデアがあったら教えてね。
■ということで、まずは材料の詳細と分量ね。
おおよそ一人前の分量で記します。
□スパゲティ(一輪120グラム程か?)
銘柄や種類でかなり味や食感、調理の特製が異なりますので一概には言えませんが、概ね細身のもの(1.4mm程度)が美味しく感じます。ただし、細いものほど茹で具合の管理がシビアになります。
□塩
パスタを茹でる湯水に投入します。投入するのは真水の湯が沸き立ってから。投入したらちゃんと撹拌して溶かすこと。(そうするとある程度カルキを抜くことも出来ます)
岩塩や天然塩を使用すると塩気に丸みがでます、そんな気がします^^;。
投入する量は水の量が同じでもスパゲティの種類に応じて変える必要がありますが、およその目安として茹で汁が<
お吸い物ぐらいの塩加減>になるようなかんじ。
同銘柄のスパゲティなら、塩が濃くなるほど締まって茹で上がるようになります。モチモチ感が増える場合もあります。また、茹で汁は後にフライパンに投入もしますし、最終的な出来上がりの塩加減にも大きく影響します。塩加減は超重要!
□にんにく
香り立ちの良いもの。みずみずしいもの。
量はある意味お好みです。自分なら一玉6房のものを一片という感じです。あまり沢山使っても結局食べ残すことになるので,十分な香りが楽しめる量なら十分かな。ソースの香りの5割はこの食材で決まります。是非良質なものを使われたい。
□オリーブ油
エクストラ・バージンを使用します。でも別にバージンオイルじゃなくても大丈夫。これは好みの問題。銘柄もお好みで。自分は手に入りやすいのでボスコのものを使ってました。オリーブ油の香りをベースにソースの風味が決まりますので、ある意味もっとも重要な材料です。最近はあまりこだわりがなくなって,家にあるやつならなんでもイイや,って感じになりました。でも鮮度はやっぱり大事。古いオイルや光に晒されたオイルは香りが落ちます。
使用量はお玉に軽く一杯程。結構多いけど、足りないのは論外だからね。
□鷹の爪
品種はお好みで。辛味よりも
香り出しに使うものとの認識で望むのが吉。ですので,辛みよりも香りの良いものを。中サイズ二本程が目安だけど,一本でもOKよ,別に。
■調理
1.にんにくを切ります。
芽と芯は取り除きます。
スライスでも良いと思いますが、細かく刻んだ方が香り立ちが良いと感じるので自分はみじん切りにしています。某落合シェフを真似て包丁の腹で潰すのも悪くないですが,その場合はニンニクの量を増やした方が好結果な様です。
鷹の爪は種を除き、細輪切りにするのが基本。でも面倒だから横半分に切ったものを手で揉んで種を落とすだけ,というのがズボラでおすすめ。縦半分に切ると種が取り除きやすいです(某落合本流)。
2.鍋は出来るだけ大きいのを使った方が管理しやすいけど,中くらいの鍋(カレー作るぐらいの)でやった方が地球にやさしいと思います。2人前ぐらいまでなら,小振りな鍋でも慣れれば美味しく茹でられます。
水を入れ沸騰させ,
沸騰したら塩を投入。塩加減を見ます。
再び沸騰したらスパゲティを投入。グツグツ煮るのではなく、優雅にダンス(リズムはワルツ。ズンチャッチャ)を踊らせる感じで茹でます。特に茹で始めは麺にしっかりとお湯が回るように混ぜる必要があります。ずっと混ぜ続けるのは麺が鍋の中で草臥れてしまうのでよくありません。麺の気持ちになって,適度な混ぜ加減で。
3.フライパンにオリーブ油を投入。
にんにくを入れてから火に掛けます。プツプツし始めたら,
ごく弱火で、決して高温に晒さないように。高温になるとオリーブ油の香りが無くなり、相当オイリーな”油麺”になってしまいます。結構難しいですが、油温が120度を超えないような管理が必要です(byためしてガッテン!)。着火と消火を繰り返しても良いですが、茹で汁を少し加えることで温度を抑えることが出来ますよ。
(にんにくに塩味が付く、という嬉しい副作用もありますが,できあがりの香りは少々劣ります。)
あくまで目安ですが,みじん切りにしたニンニクを使用した場合,自分ならだいたい4,5分間火に掛けています。
オリーブオイルで炒める → ×
オリーブオイルで煮る → ○
こんなイメージで。
フライパンじゃなく,中華鍋での調理もおすすめです。下記6.のゆで汁混ぜがとてもやり易いです。
(渋谷の"壁の穴"では中華鍋でペペロンチーノ作ってました。それの真似。)
4.にんにくの中の水分と油分が置換し終わる頃、にんにくは茶色く色づき始めるでしょう。この頃のフライパンの温度管理が、ニンニクに含まれる水気が少なくなってきている分だけ判りづらく,一番シビアなようです。絶対に焦がしちゃダメです。結構オーバーヒートさせちゃう失敗が多いのはこの頃。僕はこの時点で茹で汁を加えることが多いです。
そろそろ火を止めるかな、という時点で鷹の爪を投入します。しばらくしてフワッと唐辛子の香りが立ったら火を止めます。(もう少ししつこく鍋を振り続けると辛くできますが、香りは落ちます)唐辛子の投入と同時に火を止めてしまっても良いと思います。
5.パスタの茹で上がりを待ちます。
6.ぼちぼちパスタが茹で上がりだな、というアルデンテ
二歩手前の段階で再びフライパンを火に掛けます。弱火で十分。鍋からゆで汁をお玉やスプーンで取り,少しずつフライパンのソースに加えていきます。加えては混ぜ,加えては混ぜ,という要領で,とにかくよく混ざるように。(やけどに注意。)
ゆで汁(水)とオリーブオイル(油)が一つに混ざり合い,適度に白濁したソースになれば成功です。慣れないうちは乳化させるのはなかなか難しいかも知れませんが,全体の温度やゆで汁の状態などに注意を払い,作る度に工夫するしかありません。少しずつゆで汁を加え,(親の敵を取る勢いで!)とにかくよく混ぜるのがコツです。また,加えるのはゆで汁でなければなりません。(湯に溶けだした成分が乳化を助長してくれます)
7.アルデンテ
一歩手前のスパゲティをすくいフライパンに移します。湯切りは適当で構いません。スパゲティとソースを(ここでも,親の敵を取る勢いで!)良く和えます。
8.(削除)
9.フライパンは弱火にかけたままでも良いと思いますが,
決して炒めないこと。ソースとパスタが十分になじんだら皿に盛ります。
■重要なポイント
□オリーブ油は低温で扱い続ける。決して高温に晒さない。
□フライパンを振ることにより温度を調整できます。
□常に,フライパンから立ち上る香りとその変化を注視しながら調理する。
□
出来上がりの塩加減を最初から最後まで意識して調理する。
□材料を決して焦がさない。(
炒める,という行程はこの料理に存在しません。)
□スパゲティを茹ですぎない(フライパンのに移してからもパスタは水を吸います)
□ペペロンチーノはトータルバランスが命。どこかで一度バランスを崩すとあとからは取り戻せません。
■最後に
オリーブ油の取り扱いについては
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q1/20050302.html
こちらを参照してみてください。かなりタメになります。(リンク切れのようです)
以上、上記はあくまで我流ですので、他流を否定するものではありません。こうした方がカクカクシカジカでベターなんじゃない?なんてご意見は大歓迎です。
それにしても,文章で書くとずいぶんと難しそうに見えるものです。実際にはお手軽料理なんですけど,ちょっとしたコツみたいなものを少しでも伝えられればと思い,少々子細な文章となりました。ペペロンチノが安定して作れるようになるとボンゴレだろうがアラビアータだろうが,材料を一品増やすだけで献立はいろいろと広がります。そういう意味じゃ基本なのかも知れません。まぁ,ペペロンチノ単品で食った時のうまさってのがパスタのうまさの一つの原点なのかもなってことで。
とにかく美味いから好き。
でも,栄養のバランスに気をつけましょう…。