このタイヤ,好きです。
ですので,あえてネガから記して,誰かの参考になるようにしておこう。「BT45」という検索ワードで飛んでくる人が常に一定数居るようなので。
(だだしHレンジの製品についてね。Vレンジの物はたぶん相当異なると思う。)
それとお約束ですが,以下は一個人の印象に過ぎず,当タイヤ銘柄の印象は使用者や使用車両,サイズ選択やセッティングによって全く異なる可能性がありますので,その点ご留意ください。
なお,BT-45のファースト・インプレッションはこちら。
欠点と感じる点
- フロントに段減り傾向がある。
まぁ許容範囲だと思うけど,自分の乗り方だとハンドリングが美味しい時期は4000㎞保たない。これはオサイフにはあまり優しくないレベルと言える。 - ライフはそれほど長くない。
自分のセッティング(後記)と乗り方だと,8000㎞でF/R共に完全にスリップサインが出現する。 - フロントにチャタが出る
許容範囲だけど,段減りが進行した後だと,ジワーっとフロントブレーキを残したまま中速コーナーに力み無く入っていく時や直線進行時に,チャタが出た。気にしなければ良いレベルだけど。 - ロードノイズはまあまあ大きい。
ま,オートバイでこれを論じる意味はあまり無いと思うけど,一応。 - プロファイルは好き嫌いが別れそう
個人的にはFは悪くないと思うけど,Rはショルダーの張ったプロファイルで,バンクの過渡特性がイマイチだと思う。 - RのSACT(3LC)の効果は好みが別れそう。
サイドのコンパウンドは完全に熱が入ると良い按配なのかも知れないけど,ストリートユースではヌルッとしたグリップ感の第一印象が先に立ってしまって,個人的には絶対的なグリップよりもトレッドの剛性感・接地感に不足・不満を感じてしまう。
長所と感じる点
- グリップに一切の不安無し。
温度依存が極めて低いと思う。オールシーズン通して乗り出し直後から不安がない。ツーリングタイヤとして,出発直後からちゃんと走りが楽しめるというのはとても嬉しい性能だ。冷間はもちろん、真夏の灼熱路面でもグリップに対する不安が極めて少ない。 - ウェットグリップに不安無し。
自分の数少ない経験の中でだけど,このタイヤのウェットグリップは本当に素晴らしい。お前はレインタイヤか?っていう。転倒覚悟で攻められるなら,雨の峠道,GPZ900Rで膝を擦るのも全然不可能じゃない。(いえ,モチロンそんなに攻め込み(め)ませんケド。)雨の日の走行に不安を覚え無くて良いのは素晴らしいことだと思う。 - 程良いダンピング感の有る,落ち着いた乗り心地
決してソフト過ぎないの適度な剛性感を感じつつも,シトッとした乗り心地。滑り初めの印象もこんな感じで,キャラクターが掴みやすい。 - 軽い
Hレンジに限るかも知れないけど,タイヤ単体で持つと判る。 - 十分な剛性感がある。
バンク角が深くなっていっても,F/R共にそれなりの剛性感を感じさせてくれるので不安がない。アクセルを開けることも楽しめる。コーナー侵入でのブレーキング→フルブレーキング→リーンしながらのブレーキリリース,といった一連の流れの中でのスタビリティに基本的に不満が無い。 - 良い意味でダルなハンドリング
浅いバンク角に対するFの応答性は鈍いと思う。高速道路でのレーンチェンジなどでは意識的なハンドル入力が必要なレベルだけど,よく言えば慌ただしさのない落ち着いたハンドリングと言えるんだろう。S字の切り返しなどもダルいと言えばダルいけど,操作する楽しみが有る。
最後にインプレの基となる基本的なスペックを。
使用タイヤ BS BT-45(H)
タイヤサイズ 標準リム幅(インチ) 適用リム幅(インチ) 外径 トレッド幅
F:120/70-17 MC(58H)TL 3.50 3.00~3.50 606 123
使用リム幅3.0inc. 使用空気圧(冷間)2.4-2.5kg/cm2
タイヤサイズ 標準リム幅(インチ) 適用リム幅(インチ) 外径 トレッド幅
R:150/70-18 MC(70H)TL 4.00 3.50~4.50 668 149
使用リム幅3.5inc. 使用空気圧(冷間)2.7-2.8kg/cm2
装着車両 GPZ900R国内仕様(A9)
仕様季節 春夏秋冬すべて
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