ハイ,amazonで買いましてん。
自由に至る旅―オートバイの魅力・野宿の愉しみ (集英社新書) (新書)
新古本なんだけど,申し訳無くなるほど安かった。
マーケットプレイスからの送料(¥350)の方がずっと高いという。
晴耕雨読ならぬ晴走雨読と洒落こんで,この梅雨の読書の一つとするつもりでして。
花村萬月は以前友人に勧められてけっこう読んだ作家だけど,本書を1編読んだ感想として,この人,エセー馴れしていないからなのか,この本では小説とは違って一行一行のスピード感がだいぶ弱い。
その辺はちょっと趣が違う感じだけど,でも,のっけから悪くない。
(この本が面白そうかどうかは,上記リンクのレビューが参考になるでしょう。)
そして内容的には,自分にとってはこの書がオートバイの『理論編』というべき一冊。
『実践編』(笑)の一冊も注文したんだけど,そちらはまだ未到着。
ま,すぐに読む暇もないし丁度良いかな。
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2009/5/30追記
読了。
とても共感を覚える一冊でした。それはもう,怖いほど。
優れた代弁を得て胸のすく感じすら覚えました。
「嗚呼!こうして書いてくれて有り難う!」みたいな。
「お前は俺か?!」みたいな。
いや,そこまで言ったら言い過ぎか。
でも,それはあまり大きな声で表意すべきじゃないかも知れない。なぜなら,「大人な」冷めた目で見るとけっこうトンデモな話もあって,それがダメな人にはダメだろうから,そういった類の「大人な」ヒトの冷たい目に晒されそうだ。
まぁ必ずしも「大人な」ヒトにインテリジェンスが備わっているわけではないのは百も承知だから,どう思われようと別に良いんだけど。
両目の焦点が合わなくなる話とか,リミッターが当たる話とか,二酸化炭素の自己矛盾の話,死の話,金の話,そして旅と旅人の話。
著者の思うところがとても素直に書かれた内容。そしてバカな話が一杯。しかし,バカを知ってるバカ(つまり相当のバカ)の話ですから,これは十分一読に値する。
「一切合切含めてオートバイ,そして『自由』だよ。そして俺,やっぱバカなんだよ。」って普段から思ってる,そんな人には強力にお薦めします。
これほど旅情をかき立てられる一冊とは予想以上でした。
ああオートバイに乗る人間で良かった。
なお追記。----------------
前記で「スピード感がだいぶ弱い」などど指摘しましたが,それはたまたま読んだ部分が「スピードを抑えた」部分だっただけで,「カッ飛んでる」章もありました。
さすが芥川賞作家。文章のスピードコントロールも上手い。当たり前ですナ。
2 コメント:
shinさんの記事に釣られて読みましたよ。
図書館で借りました。通勤で一気に読みました。
著者の本職?のほうの本はしりませんが、著者の言葉でいい講演会を聞いた。そんな感じです。
本の中ほど「生きる意味」についての件は吸い込まれるように入って来ましたよ。
野宿はするつもりは無いのですが、旅の魅力についてこんなにうまく書いた本は他にはないのではないでしょうか。
いい本です!
>bobbyさん
おー読まれましたか!
確かに一気に読めちゃいますね。
野宿,良いもんですよ。
そういう自分も,純粋な"野宿"はもうずいぶんとしてない気がしますけれども。
たまには,暗くなるまで走って明るくなる前に走り出す,そんな行き当たりバッタリな覚悟で出掛けるのが良いのかも知れません。
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